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夕霧(ゆうぎり)は、 #『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第39帖。巻名は、夕霧(下記)が落葉宮に詠んだ和歌「山里のあはれをそふる夕霧に立ち出でん空もなき心地して」に因む。 #『源氏物語』に登場する架空の人物。夕霧大将(ゆうぎりのたいしょう)とも。光源氏の(世間から見た)長子。母は葵の上。夕霧の名は彼が中心人物になる巻の名に因んで後世の人がつけたもの。 ==帖のあらすじ== 光源氏50歳、夕霧29歳の八月中旬から冬にかけての話。 柏木の未亡人落葉の宮は、母一条御息所の病気加持のために小野の山荘に移っていた。宮に恋心を募らせていた夕霧は、八月の中ごろに御息所の見舞いを口実に小野を訪れる。折からの霧にかこつけて宮に宿を求めた夕霧は、拒み続ける宮の傍らで積年の思いを訴え続けるが、思いはかなわぬままに夜は明ける。 祈祷の律師から夕霧が宮の元で一夜を明かし朝帰りしたと聞き驚いた御息所は、真情を確かめるべく病をおして夕霧に文を認める。 :''女郎花しをるる野辺をいずことて 一夜ばかりの宿をかりけむ'' 文を書き終えた直後、御息所は危篤状態に陥ってしまう。 御息所からの文が夕霧の元へ届いたが、それを北の方の雲居の雁が取り上げ隠してしまう。 翌朝。ようやく文を見つけたが、夕霧は文に認められた歌を見て「宮を弄んだ」と誤解された事を悟る。夕霧の返事は遅れに遅れ、御息所は心労のあまり急死してしまう。突然の訃報を受け夕霧は葬儀全般の世話をするが、落葉の宮は母の死は彼のせいと恨み心を開こうとはしなかった。 落葉の宮はこのまま山荘に残り出家したいと思ったが、父朱雀院から「女三宮も出家したばかり。姫宮たちが競うように出家するのは…」と窘められる内容の文が届き、落ち込む。夕霧によって強引に本邸の一条宮に連れ戻された。世間では二人の仲は既に公然のものとなっており、その状況に宮は戸惑う。 夕霧は養母の花散里から事情を聞かれるが、帰宅後嫉妬に狂った雲居の雁と夫婦喧嘩をしてしまう。何とか雲居の雁をなだめて落葉の宮の邸へ通っても、宮は塗籠(ぬりごめ=土壁に囲まれた寝所)に閉じこもって出てこようとしない。結局強引に逢瀬を遂げて既成事実を作ってしまう。 翌朝夕霧が邸に帰ると、雲居の雁は主に娘と幼い子数人を連れて実家の致仕大臣邸に帰ってしまっていて、連れ戻しに行っても取り合おうとしない。そればかりか夕霧に対し、「あなたの名声はさぞや、広がるでしょうね。さすがは名だたる光源氏の息子だと。」と嫌味を言い、対する夕霧も「そういう底意地の悪さは、父君瓜二つだ。」と売り言葉に買い言葉。ついに二人は決裂してしまった。 一方落葉の宮は亡き夫の父致仕大臣に文で責められ、夕霧の妾の藤典侍も雲居の雁の味方で、一人途方にくれるのだった。 ---- 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「夕霧 (源氏物語)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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